2007年10月29日月曜日

総括 第13回日本トライアスロン選手権東京港大会





写真は上から沢田・加藤瞳・工藤・木村

第13回日本トライアスロン選手権東京港大会総括

北海道トライアスロン連合  副理事長 
指導者養成委員長 強化委員 増田 芳一

10月21日(日)東京都港区のお台場を舞台に2007年度の日本チャンピオンを決める日本トライアスロン選手権大会が行われた。
道内からは、NTTトライアスロンジャパンランキングで出場権利を得た工藤駿(パッシュ)と、北海道ブロック日本選手権予選記録会(留萌管内初山別村)8月15日(日)で権利を得た沢田愛里(JR北海道)、木村悠(北大ちゃらんけ)、加藤瞳(札幌市立藻岩高校)の4名が出場した。
なかでも、沢田愛里は9月30日に新潟県村上市で行われたNTTトライアスロンジャパンカップ第9戦村上大会で優勝し、工藤駿は今年のアジア選手権と世界選手権のジュニア代表になるなどで二人は注目を浴びている。

昨年のスイムは女子がウェトスーツ着用で男子が着用不可であったが、朝7時発表の水温測定で20.0度と今回は男女ともウェトスーツ着用不可レースとなった。
昨年も述べましたが毎年水温が少しずつ上昇していて、砂浜の面積も見た目で分かるくらい狭くなってきている。地球温暖化の影響がここにも忍び寄る。

 女子は昨年の覇者、庭田が欠場し優勝争いが混戦となった。
スイム得意の8名が抜け出し第一集団を形成する、バイクでは第二集団を引き離しランへと、この集団には優勝した上田藍も関根もいない、スイムが得意の選手達も着実にバイクの力をつけている。
 男子は昨年同様に田山選手がスイムから先頭に立ち横綱相撲というか他を寄付けずぶっちぎりで2連覇を達成した。

我が北海道勢はスイムで苦戦した、女子は先頭集団のバイクが予想以上に早い。
沢田愛里もバイクは得意ではあるが序盤から苦労した、風が強く単独又は少人数での走行は非常に不利である。
パックされずにかろうじてランへ移動するがここから彼女の本領発揮、前を行く走者を抜きまくり26位まで順位をあげる、ランパートでは全体の4位と気を吐き笑顔でゴールをしている。
身体つきは脂肪が無くキリット締まりランナー体型であり、私の理想とするトライアスリート体型になっている、おそらく腹筋は割れているに違いない。
来年こそは良い集団でバイクを終えてほしいと期待する。

加藤瞳は日本選手権が初参加とはいえ日本ジュニア選手権などで大きな大会を経験している。でもここは日本選手権という大舞台です、スタート前の表情はやはり硬い。
バイク4周目(20km)まで粘ったがトップ集団に追いつかれ残念ながらパックされた。
来年は完走を期待する。




男子は工藤駿が期待されながら順位もタイムも昨年を下回った。
工藤駿は一ヶ月前に大腿二頭筋の肉離れをおこしている、練習を開始できたのは約10日前と日本選手権出場も危ぶまれた、筋力も相当落ちた、そんな中での日本最強のレースだ、やはりバイクとランで苦しんだ。
しかし、辛口になりますがスイムを28位で終えているにもかかわらずバイク乗車時は30位と後退している、天草、アジア、世界戦といずれもスイムからバイク乗車までへの流れが悪い、同じ失敗を繰り返している、バイクパートでは位置取りが大事であり特に大きな大会になればなるほどチョットしたミスでも結果に大きく響く、そして、今まで苦しみながら努力してきた練習を台無しにする。

木村悠は経験不足が目立った。
彼のバイクの力を考えると完走は可能と思っていた。
しかし、バイクトラジッションと直角コーナーが多くテクニックと力が必要とする高速コースに手こずった。
悔しい思いもしたが勉強にもなったと思います。
北海道大学先輩の伊藤寿(愛知県連合)に続いてほしい。
ちなみに、
昨年バイクでDNFとなった伊藤寿(愛知県連合)は見事完走している。
彼は今年、日本ジュニア選手権と同会場で平行して行われた長良川国際トライアスロン大会で見事強豪を抑え3位となっている、力の着け方はすざましいものがあります。


所感 
日本選手権などというビックな大会へ挑むにあたっては、最高のコンディションに仕上げてほしい、それは日常の練習に対する体調管理にもつながる。
一週間前、二週間前の過ごし方、そして、狙った大会へ向けての練習の取り組み方、オーバーワークになっていないかなどの見極めが大事である。

沢田愛里や工藤駿を含め今年度の道内勢の実績は申し分ないほど昨年を上回っている。
練習内容も量質共に良いものになってきているに違いない。
そして、ジュニア層も着実に力を着けている、今後が楽しみだ。