2008年12月11日木曜日

「日本選手権を振り返って」


「日本選手権を振り返って」
HTU選手強化委員 指導者養成委員 
日本体育協会トライアスロン指導員 地原 健司

2008年10月26日(日)第14回トライアスロン日本選手権が東京港お台場にて開催されました。既にNHK-BSにて放映をご覧になった方も多いと思います。
今年はオリンピックイヤーということもあり、オリンピアンはもちろん常に上位にくる選手のコンディションが充実し、注目度も高く混戦が予想されました。
話題としては、北京オリンピックで5位入賞した井出選手のパフォーマンス,実力者である庭田選手のプライドを賭けた復活,連覇に挑む上田選手の追い込み,高2でありながら今年度シリーズチャンピオンとなった佐藤選手などのレース展開・・・などが注目されました。
 北海道からはエリート強化指定C選手でもある沢田愛里選手(28歳),日本ジュニアトライアスロン等で活躍している、久保埜一輝選手(18歳),工藤駿選手(18歳),今本衣真選手(18歳)地原菜津美選手(15歳)の構成です。全員予選会である東川トライアスロンに出場し、ブロック代表の座を掴んでいます。

 レース当日は気温19度,水温21度となりウエットスーツ着用不可となりました。8:30女子がスタート,スイムは「チームケンズ」勢がトップを占め、佐藤・土橋・井出・中島が18分30秒台でほぼ同時にスイムアップ,その後、第3集団で揚がった上田のすぐ後に今本が20分02秒で揚がり、地原は20分56秒,沢田は22分32秒でスイムアップしトランジットへ。今本はジュニアエリートを含むバイク集団にうまく入り込み周回を重ねていました・・・がバイク序盤に転倒! しかしすぐに戻って集団に入ったことは見事!・・・集中力を切らさずレースを続けました。地原は2名でのバイク走行となり苦しい展開となり、何とか完走に滑り込めるかと思った矢先20km過ぎに転倒! 得意のランに入れず無念でしたがレースを中断せざるをえませんでした。沢田は3名の走行となりましたが、他の2名が前に出ず自ら先頭を引っ張る展開。トップ集団との差も6分以上となり、すぐ後ろからラップされそうなギリギリの走りを強いられました。
今本は28番目にトランジットしランへ,沢田もトップと8分差で得意のランに入り、13人をごぼう抜きして23位でフィニッシュ。今本も37位とはいえ初出場・完走を果たしました。

一方男子は11:00スタート,予想通り平野・田山が先頭を形成。女子よりも1分速い17分30秒台でスイムアップ。その後、ジュニアではトップの椿が18分58秒,工藤が20分06秒,久保埜が22分23秒でスイムアップ。その後、椿は田山が率いる第2集団でバイクを周回し、工藤は26人にもなる第3集団で順調に周回を重ねました。久保埜はスイムの不調から数周でラップされDNF,工藤に期待がかかりました。
その後工藤はランに入り、8人抜きで3年目となる日本選手権にて男子24位のベストリザルト! ジュニアで3番となりました。現在まで磨いてきたランニングは10km36分19秒でラン単体では全体の15位,ベストパフォーマンスの結果です。

選手それぞれの可能性を感じた第14回日本選手権,選ばれたアスリートしかこの場に立てません。自分達の競技人生で現在において最高の舞台であり、希望と期待を胸にスタートラインに立ったと思います。いままでの専門種目を乗り越えこの複合競技に賭けた思い、指導者を信じ費やした練習と時間、レースの緊張やプレッシャー、チャレンジ精神と興奮・・・様々な想いが交錯しただろうと思います。この貴重な経験は来期・将来のエネルギーとし、更に上の自分を求めていってほしいと今後も期待します。