2007年8月10日金曜日

長良川ジュニア大会レポート



強化委員よりレポートを頂いています


【第9回日本ジュニアトライアスロン長良川大会レポート】

                        HTU選手強化委員 地原健司

8月5日(日)日本ジュニアトライアスロンが岐阜県海津市で行なわれました。この大会は20歳未満のジュニアで国内最高峰の位置づけとなり、出場するにはJTU認定記録会にて標準記録を突破し強化指定選手として認定を受けるか、各都道府県連合の推薦が必要です。
出場した選手は、U-19久保埜一輝,工藤駿,加藤瞳,今本衣真、U-15梅田一平,大島駿平,中村遼一,地原菜津美,松本彩映が出場、久保埜勇貴は故障のため出場を断念しています。今年の北海道チームは強化指定選手が増え、活躍の期待も高まりました。

中部地方のこの時期は朝から30度を越える暑さで、北海道の選手にとっては厳しい環境下となります。水温26度,気温30度,湿度80%というコンディションの中、ジュニアA(U15)が午前8:00スタートしました。
男子Aではスイムを得意としている大島駿平が、2位以下の後続を30m以上引き離す圧倒的なリードをとり、このアドバンテージがバイク終了まで続きます。一方、梅田と中村はスイムで出遅れた分バイクで攻め続け、梅田はバイク終了時には先頭グループに追いつき、ラン勝負に絡むことができました。3000mを9分22秒の記録を持つ梅田は先頭を追い続け、昨年の8位から5位へランクアップ。ランを苦手とする大島は、徐々に抜かれながらも7位をキープしました。中村は昨年の14位から今年は10位…まだ2年生、来年に期待します。
 一方女子Aでは初出場の松本彩映,今大会3度目の地原菜津美が出場。地原は昨年5位,今年は表彰台を狙ってレースに臨みました。スイムトップで上がった昨年とは違い、全体がレベルアップしている今年はスイム序盤から苦戦,10番目に浮上しトランジットで3名抜きバイクに移りました。一方松本は、苦手なスイムを無難に終え、バイクで後退したもののランで4人抜き24人中21位でフィニッシュ,当初の目標(最終走者にならず完走)を達成しました。
 バイクを終えた地原はこの時点でトップと33秒差の5位,この時点で本人は順位が分からず得意のランでアタック開始。腰を落として走る他の選手とは違うトラックの走りで、次々と抜き去りフィニッシュ。インタビューで初めて自分が優勝したことを聞かされ驚いていました。

 U19男子Bの工藤は昨年5位,久保埜一輝は昨年6位。二人とも実力は伯仲しています。今年は揃ってアジア選手権に出場し、8月末に行なわれるジュニア世界選手権へ出場を決めています。ライバルは多いものの、なんとしても表彰台に上がり実力をアピールしたいところです。今回は来年のアジア選手権の権利もかかっていますから、彼らにとっても重要なレースとなりました。工藤はスイム序盤から先頭の3名に入り、久保埜は第2集団での位置取り。その後工藤は2位で上がり、バイクに移るもののスピードに乗らず、久保埜がいる8名の先頭集団に吸収されました。久保埜はトランジッションを終え、先頭から30m差でランへ,工藤も久保埜から遅れること18秒、この時点で前には7名が見えています。その後工藤は、5000mで16分を切る脚を最大限に生かし3位でフィニッシュ。久保埜もバイク終了時の順位をひとつ上げ、7位でフィニッシュしました。
 一方女子Bでは、話題のスーパー高校1年生,佐藤優香選手が出場。また、常時優勝争いに絡む蔵本葵選手,昨年女子A優勝の高橋侑子選手,同じく女子Aで3連覇の山本奈央選手などレースの見ごたえは想定できました。そんな中、北海道からは加藤瞳,今年初参加の今本衣真が出場。競泳で毎年インターハイ(個人メドレー)道代表の今本が得意のスイムで4番手につけ、加藤はやや遅れたものの13位でスイムアップ。ここで今本は第二集団へつけましたが、今年から始めたバイクのため徐々に後退。一方加藤はバイクスタートから一人旅となったものの、今本に追いつきバイクフィニッシュ。ランは猛暑の中、集中力を切らさず加藤・今本の順位でゴールしました。

 2年前に北海道のチームスウエットがジュニアA男子で表彰台を独占してから2年。北海道のジュニア選手がとうとう全国レベルになりました。しかしながら選手達本人が単独で強くなってきたわけではありません。精神面や生活を支える保護者の理解,監督・コーチの指導力,HTU・STUの練習会や大会での活躍と役員の協力,全ての組織が支え合い、協力し合うシステムにより構築されたものと感じています。
 また、練習環境を北海道に留めず、JTUジュニア合宿やテイケイJrなどに出向き、多くの志高い選手との練習経験,さらに現在、士別で行なわれているJTU合宿にジュニア選抜選手が特別に参加させて頂く機会に恵まれレベルの高い世界を体験しています。このような参加形態も他の都道府県では難しいこと。以前より強化部と飯島氏との縁は深く、今回の合同合宿が実現しました。選手はこのような恵まれた環境で競技できることを感謝し、今後も期待される北海道チームであり続けてもらいたいと思います。